私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編


「あっ………確かに」

「……だから考えてんの
 ……………香音を放ったらかすつもりはなかった
 でも結果的にこうなっちゃったんだよな………」

「…………雄斗、今どこ?」

「職場
 これから帰るとこ」

「んじゃ、これからお前ん家行くわ」

「はっ?
 急に何で?」

「………いい加減に気づいてほしいんだよ
 香音もさ………待ちくたびれてる
 今日、俺の前で泣きそうになってたぞ?」

「どうして………」

「それだけ言ってほしい言葉があるんだよ
 その言葉言ったら泣きそうになってたから止めた
 泣くなら雄斗の前で泣けってな」

「奏斗…………」

「俺は別に良かったんだぞ?
 泣いてる香音にー、優しく抱きしめてー
 香音大丈夫だよーってさ!」

「うわっ……キモいからやめろ
 第一香音に触れんな
 触れていいのは俺だけだから」

「独占欲強っ!
 まっ、そういうことで
 じゃ!また後で!」


そう言って奏斗は電話を切った


何だよあいつ…………

俺を助けてくれんのか………煽りにきてんのか………良く分からねぇ………








そんなことを考えながら家に向かった