しばらくして
ガタッ
大きな物音がした
この音………寝室の方だよな……?
そっとしておいた方がいいかとも思ったけど心配になり見に行った
コンコン
「香音大丈夫か?」
そして中に入った瞬間、目を疑った
「香音!?
何してるんだよ!」
香音はどこから見つけてきたのか分からないがカッターを手に持ち、手首を切っていた
声をかけると一瞬俺の方を見たがまた切り始めた
「香音………やめて……それ以上は………お願いだから………」
できるだけ優しく声をかけた
それでもなお香音は止まらない
「香音………もうやめろ
頼むから……」
「……………………」
「なぁ…!」
いたっ…!
カッターを抑えようと掴んだけど………掴みどころが悪かった
カッターの刃が手に食い込んでくる
痛いけど………今離したら………
そう思うと離せなかった
「か……のん………手……はな……せ…………」
「………………………………」
「か……の……ん……」
痛みをこらえながら香音に訴えかけるけど……全然ダメだな……
俺の手からも血が流れ出している
早く……しないと………


