そして病院を出た



「香音、家に帰るからそろそろ歩け
 下山先生にお礼いいな?」

「…………………」

「香音」

「いや…!
 雄斗といる!」

そう言って俺にさらにくっついてきた

「香音いい加減にしなさい
 下山先生も忙しいんだから」

「…………………」

香音は何も言わなかったが離れなかった

「お父さん、俺は大丈夫ですから
 香音と一緒にいさせてください
 俺自身も香音と一緒にいたいんです」

「下山先生がいいならいいですけど…………本当にいいんですか?」

「はい!
 もちろん!」

「……………じゃあ、お願いします」

「ありがとうございます…!」

こうしてお父さんと別れ、香音と車に乗った

「香音、大丈夫か?」

「……………うん」

「本当は辛いんだろ…?
 無理するな」

「……大丈夫だよ…………」

「お前なぁ………そんな声で言われても信じないよ?」

「…………………」

「寝てていいから
 無理するなよ」



そう言って車を出した