そんなことないよ、なんて笑って済ませたかったな。



「いつも苦しそうなんだよ」



「……そんなことないよ……」



「…朱那ってさ、我慢する時まゆがぎゅって寄るんだよ。そんで瞳がすげぇ揺れんの。見てて……なんか…全部話してほしなって思う。朱那の全部を朱那
は見せるの怖い?消えそうなんだよ、ずっと」



全ての言葉がぐさぐさと刺さる。



あぁ、この人は。



この人は私を見ていてくれてる人だ。



……ずっと気づいていた。



玲於くんと付き合っていける自信はいつもなくて、初めて話したときから柊夏くんに全部持ってかれている気がして、でもそれは浮気なのかと思ったりもした。



多分違う。



ずっと憧れてるんだよ、あたたかくてつよい安心できる人。



「……柊夏くん、私は平気だよ」



ちえさんにどんな顔して向き合えばいいの。



「大好きだよ。これからも」



過去の私を全部否定したいの。



「だから……平気なんだよ」