「……一希(いつき)……柊夏」



兄ふたりのお出ましだ。



ノーセットはマッシュに近い柊夏くんと、無邪気そうな雰囲気のブラウンのツーブロックは1番上の兄の一希さん。



ゆるめの半袖から覗く男らしい腕が私のほうに伸びてきた。



それが柊夏くんのものだと気づくのに数十秒かかってしまった。



そして彼は母親の背中をゆるりてさと撫でると一希さんに託し、私の髪をさらりと撫で優しく笑った。