「ごめん。可愛くてつい。じゃあ、次はちゃんと聞くから」


叱る。叱ると言っても本気で言うのは可哀想に思えてきた。潤んだ瞳はまるで、“許して”って言っているよう。


可愛い。思わず撫でてあげたいくらい。


「反省してくださいね。えっと、柊季さんめっ!です。……///」


「はい。以後気をつけます」


反省しているというより、柊季さんは私をからかっているように見えた。気づいて怒ると笑って誤魔化し、ましてや可愛いと何度も言ってきた。


次第に真剣に怒るのがバカらしくなってきて、苦笑いをしていた。


こんな状況を楽しいなんておかしいよね。


でも、好きな人とこんな風に他愛もない話しで盛り上がれるのはとても幸せなことだと私は思った。