【完】保健室の天使は、天然な生徒会長のトリコ

「あぁ。その理事長は俺の遠い親戚なんだ」


「なるほど。それでそんなに詳しく」


身内ならではのプレッシャーみたいなのが、きっとあるんだろうな。だからっていちいち私の様子なんて見にこなくたっていいのに。



「でも俺は親戚なんてどうでもいい。俺は俺がやりたいようにやる。周りに何を言われたってそれを跳ね返すさ」


私は息を呑んだ。この世にこんな発言をする人を今まで見たことがなかった。それは恐れないという前向きな気持ち。


そんな強い心を、私は持っていない。けど、彼にはそれがあるんだ。翼を持つ鳥のように、自由に飛び回る。そんな生き方。まさに私の理想だった。