「そっか。天音の気持ちは分かった。柊季が羨ましいな」


「ごめんね。颯太とはこれからも友だちとしていたい。これが私の答えなの」


「あぁ。じゃあ俺行くわ。今日も助っ人頼られてるんだ」


「頑張ってね」


「俺を誰だと思ってる。完全無欠の福永颯太様だぞ!」


「ふふ、そうだね」


俺は彼女にウソをついた。本当はこの日、助っ人なんて頼まれていない。


最後まで笑顔でいるのが辛くて逃げたんだ。何かから逃げるなんて、小学生以来だ。


小学生の頃の俺は今と変わらず元気で無鉄砲。どうしよもない奴でその時から圭に怒られていた。


取り柄といったら抜群の運動神経だけ。勉強は普通より出来るかできないか…。