私はというと、まだ頭がぼっーとして、フラフラしている。慌てて駆け寄ってきた小彩に支えられながらなんとか屋敷の門まで歩いたところで背後から呼び止められた。
「そなた、待つのだ」
ゆっくり振り返ると茅渟王が立っている。
あぁ、、怒られる…まさか、死罪、、、
茅渟王の表情をみるなり即座にそう思った。
「茅渟王様、私の至らぬせいで此度のイザコザを起こしてしまい誠に申し訳ありません…」
死を前に恐怖を感じたからなのか、珍しく自ら弁解し頭を下げた。
「そなたのせいではない、不快な思いをさせてしまいすまなかった。私の不徳のせいだ。許して欲しい」
予想外の返答と、優しく温厚な声に驚き顔を上げた。彼は優しい眼差しを私に向け、口元は微かに微笑んでいた。彼は私の肩に手を置くと、
「また会おう」
と微笑んだ。ちょうどその時、パカパカと大きな音が門の外から聞こえた。山代王が手配した馬車が門の外に到着した。
「行きなさい」
茅渟王はそう言うとクルッと振り返り屋敷の中へと戻っていった。
小彩と馬車に乗り込み少し進んだところで、後ろから誰かの叫び声が聞こえた。
「おーい待て!止まれ!止まれ!」
後ろを見ると山代王が馬に乗りものすごいスピードで追いかけてきている。馬夫の合図で馬車はキキィーと大きな音を立てて止まった。
「や、山代王様⁉︎どうされたのですか?」
小彩が慌てて尋ねた。
「そなたの仕える女官に話があるのだ」
私が驚いて顔を向けると、山代王が嬉しそうに言った。
「次は一緒に馬に乗ろう。私が教えるゆえ、また遣いを出す。気をつけて帰られよ」
突然の誘いに驚き戸惑ったが、断る理由が見つからなくて静かにうなずいた。
「そうだ、そなた名はなんと申すのだ」
「燈花と申します」
「燈花…良い名だ」
山代王は微かに微笑むと、来た道を戻って行った。
今日もドキドキハラハラの一日だった。なぜこんなにも毎日がドラマチックに展開していくのだろうか?既に身も心もクタクタだ。帰りの道で小彩があれこれと小姑のように聞いてきたが、疲れ果てていて返事をする気力はなかった。馬車の大きな揺れも心地良くすぐに寝てしまった。
「そなた、待つのだ」
ゆっくり振り返ると茅渟王が立っている。
あぁ、、怒られる…まさか、死罪、、、
茅渟王の表情をみるなり即座にそう思った。
「茅渟王様、私の至らぬせいで此度のイザコザを起こしてしまい誠に申し訳ありません…」
死を前に恐怖を感じたからなのか、珍しく自ら弁解し頭を下げた。
「そなたのせいではない、不快な思いをさせてしまいすまなかった。私の不徳のせいだ。許して欲しい」
予想外の返答と、優しく温厚な声に驚き顔を上げた。彼は優しい眼差しを私に向け、口元は微かに微笑んでいた。彼は私の肩に手を置くと、
「また会おう」
と微笑んだ。ちょうどその時、パカパカと大きな音が門の外から聞こえた。山代王が手配した馬車が門の外に到着した。
「行きなさい」
茅渟王はそう言うとクルッと振り返り屋敷の中へと戻っていった。
小彩と馬車に乗り込み少し進んだところで、後ろから誰かの叫び声が聞こえた。
「おーい待て!止まれ!止まれ!」
後ろを見ると山代王が馬に乗りものすごいスピードで追いかけてきている。馬夫の合図で馬車はキキィーと大きな音を立てて止まった。
「や、山代王様⁉︎どうされたのですか?」
小彩が慌てて尋ねた。
「そなたの仕える女官に話があるのだ」
私が驚いて顔を向けると、山代王が嬉しそうに言った。
「次は一緒に馬に乗ろう。私が教えるゆえ、また遣いを出す。気をつけて帰られよ」
突然の誘いに驚き戸惑ったが、断る理由が見つからなくて静かにうなずいた。
「そうだ、そなた名はなんと申すのだ」
「燈花と申します」
「燈花…良い名だ」
山代王は微かに微笑むと、来た道を戻って行った。
今日もドキドキハラハラの一日だった。なぜこんなにも毎日がドラマチックに展開していくのだろうか?既に身も心もクタクタだ。帰りの道で小彩があれこれと小姑のように聞いてきたが、疲れ果てていて返事をする気力はなかった。馬車の大きな揺れも心地良くすぐに寝てしまった。