*  *  *



 【誓約書】


人間界の偉い奴らへ。


俺様を人間界に住まわせろ。

守世陽彩を俺様の世話役につけろ。

この条件をのめば、人間に危害を加えないと誓ってやる。


誓約者 魔王 


*  *  *



紙の真ん中にドドーンと押されている、真っ赤な手形。


文章と手形を食い入るように見つめ

「はっ!」

俺はソファから立ち上がった。



ということは……


「界魔君が、長年陽彩ちゃんを傷つけてきた……元凶?!」



陽彩ちゃんは脅されている?

嫌々、界魔君の婚約者をさせられているんだ。



許せない。

絶対に許さない。

陽彩ちゃんを守り抜かなければ!



俺は誓約書をグシャっと丸めると

怒りをこめてゴミ箱に投げ捨てた。