意味深な笑みを残し、席を立った父さん。

ドアを開け、隣の部屋に消えていった。



界魔君ってもしかして、すごい人?


彫が深くて、外国人のような顔立ちだし。


世界的に有名な映画スター?

どこかの国の、リアル王子様?


恋のライバルとして、強敵すぎなのでは……



不安が消えない。

この部屋に来た時よりも、むしろ膨れ上がっている。


俺はソファに崩れこみ、背もたれに上半身をゆだねる。



父さんがこの部屋に戻ってきた。

ソファの前に立ち、一枚の紙を俺に差し出している。



「これは政府から送られてきたファックスなんだけどね。麗も読んでごらん」



これって……