☆陽彩side☆

 

私は今、縛られています。


青空がひろがる屋上で。

胸の高さまである、落下防止用のフェンスに。



私を縛り付けた犯人は、もちろん魔王。

手足だけじゃなく、お腹辺りまでグルグル巻きに縛られているこの状況



ひもが切れたら、はい、落下。

3階から地面に叩きつけられちゃう……


なんて心配はないから、ご安心を。

私の足はちゃんと、屋上のコンクリートにぺったりとくっついている。



魔王の中に『気づかい』というものがあってよかったぁ。


たまに垣間見える優しさに騙されそうになるものの、心を許すのは危険行為。

人間界を自分の物にしようと企む、極悪非道なダークガイ。

それが魔王だから。