☆陽彩side☆



心臓が時限爆弾のようにうるさい時、時間も早まっちゃうのかな?



あっという間に、お昼休みになってしまいました。



私は今、震えています。

あるドアの前で。

ノブに手をかけようかやめようか悩みながら。



界魔君の正体をバラされるのは困るよね?

魔界が存在しているなんてみんなが知ったら、大パニックになっちゃうし。


でもお部屋に二人きり。

麗先輩の得意技は、甘々ボイス攻撃。

それもそれで、耐えられそうにないわけで……


蜜甘声でキュンキュンセリフを浴びせられたら、倒れちゃうかも。

麗先輩に迷惑がかかるのも、申し訳ないよね?



ということで、教室に戻ろう。

はい、決定!



私はクルっと半回転。


すがすがしい表情でサササと逃げ出そうと思ったのに、時すでに遅し。


空いたドアの隙間から、綺麗な腕が伸びてきて


「待・た・せ・す・ぎ」


甘く響いた色っぽい声。



手首をつかまれ、私は部屋の中に引きづりこまれちゃった。