「ビッチどころか脳みそまでお子ちゃまだな。」



その一言がグサッと深く私に突き刺さった。

的を得てる発言であると同時に、私の大切な思い出までお子ちゃまだと言われた気がした。

…確かにお子ちゃまの時だったけど…。



「王子様が迎えに来てくれるって思ってたらいけないの…?……きっと会えないだろうけど、あの子に会っても胸張れるぐらいになってたいって、…思ったらダメなの……?」


ヒーローをヤンキーだと思って入口を間違えてしまったけど、あの子が胸を張って言ってたヤンキーという存在も体感できた。

体感した上で、すずちゃんに軌道修正してもらって、目標ができた。


くだらない子どもからの夢かもしれないけど、私にとっては、人生の大半を占めた軸のようなもの。


…やっぱり、くだらないのかな。


そう思ったらもう目の前が歪み始めて、涙になっていた。




「…泣くのかよ…。」

「っあなたのせいです!」


ぐすぐすと溢れる涙を拭いながら、ごちゃごちゃした気持ちを整えたかった。



「…ちょっと、殴らせてください。そしたら気がすみます。」