床に座り込んだまま、考え込む私は、ここがどこで、誰か側にいるかとか、全く考えていない。




「加奈子ちゃんに何かしたのかな…。恨まれるようなこと?」


「彼氏でも奪ったんじゃねーの?」


「えっ、」


びくりと肩を震わせて振り返るとソファに寝てる人がいた。

その人は迷惑そうに起き上がると髪をかき上げて私をじっと見てきた。


「ビッチなら人のもん奪ってなんぼでしょ。」


ビッチなら人のもん奪ってなんぼでしょ……?



「いや!私奪ってないですし、び、…ッチ、じゃないです!」

「うん。俺にもそう見える。その顔でビッチだったら逆に興味あるわ。」


…?あっさり分かってくれた?

ていうか、その顔って…、バカにしてる?



絶対そう。バカにしてる。と踏んだ私
女として魅力がないと言われた気がしてムカついてきた。

初対面の女子にそんなこと言わないよ普通!


負けた気分になって、ひと泡吹かせてやろうと口が勝手に動いた。



「ビッ…チじゃないけど、私の王子様ならいるから!かっこよく助けてくれたもん!」