暴走族と関わらなくなって1ヶ月は過ぎてた。
それでもこの学校にいれば夜鴉が昨日喧嘩してたとか、夏休み加奈子の歓迎会をしたとか色々情報が入ってくる。


そういえば私、よく分からないでっち上げで追い出されてたんだった。
みんなのことは心配だけど、もう未練はなくなってた。

すずちゃんのおかげだと感謝する。





なのに、


「彩ちゃんいい加減にしてほしいんだよね。男に色目ばっかり使ってさ!そんなに男が好きならここにいなよ!可愛がってくれるんじゃない?」

「ちょっ、加奈子ちゃん?」

「うるさい!ビッチ!!」


バタンッッ!!と大きな音を立ててドアが閉められる。
ガタガタと震える空き教室の窓


しばらくして静かになり、今度は静寂に包まれる。


お昼休みに加奈子ちゃんに呼ばれたと思ったら、こんなところに連れ込まれて、取り残されてしまった。


それに、加奈子ちゃんを怒らせるようなことをした心当たりが一切ない。


男に色目ばっかり使って、って言われたけど、男子とはあまり話してないし、ビッチって…。私、付き合ったことないのに…。


そう見えているとするなら傷つくな…。