憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした





目が腫れぼったい。
そしてこの人のシャツは私の涙でびしょびしょだ。


散々泣いた私は冷静さが戻って、顔を上げられないでいた。
絶対顔がやばい。


どうしようかと悩んでる間も頭はよしよしとポンポンが繰り返されてる。



「落ち着いたか。」

その言葉と同時に彼の体温が離れていく気配がして、慌ててその胸に縋り付く。



「…まだ泣くか?」

ふっ…と少し笑みが含まれた言葉にぐりぐりと頭を胸に押し付けて否定する。



「……泣きすぎて、顔、上げられないんです。」


って私言ったのに、べりっと剥がすように私の顔を無理矢理上げられた。


両手で頬を包まれ、至近距離で見る目の開いた彼は本当に綺麗だった。




「俺しか居ねぇから。」

それに何でか納得してしまった。いや、綺麗な彼にこんな顔を見せるのが恥ずかしいのにっ!何でそっか…、この人しかいないもんな。なんて思ってるの私!


とか思いながら、気づいたら2人で床に座ってた。




私はすぐに課題に取りかかった。
そうすれば顔を上げる必要がない。

右側に意識がいってる中、一問にいつもの3倍くらいの時間をかけて解いていく。