ソファに人が丸まってる。
保健室に戻ろうと思ったものの、足はまっすぐソファへと向かってた。
熟睡してるのか、起きる気配がない。
側に行って、床に座って顔をじっと見つめてた。
そして目にかかってる前髪をそっと指で流すと綺麗な顔が出てきた。
あれ、……何か、前もあった…?
何か引っかかって、鼓動が早まる。
あれ、あれ…?何?
胸がぎゅっっとなって、呼吸が荒くなった。
「はぁっ、はぁっ…。」
気が徐々に遠くなっていく中、名前を呼ばれる幻聴を聞いた。
「本当にまた行くの?」
「好きなんですよあの空き教室。あと何かあるような気がするんです。」
心配そうな保健室の先生に手を振って、今日もまた空き教室へと向かう。
「こんなに求められてるんだもの。優しい君ならきっと大丈夫。だから自信持って頑張れ、安達くん」
少し足早に空き教室へと向かうと…、いた。
今日もソファで寝てる。
静かに近づいて、また側に座る。
……写真、撮りたい。
けど、盗撮はダメだ…。
目に焼き付けるようにじっと見つめて、急にこの距離が恥ずかしくなった。
こんな綺麗な人を至近距離から眺めて申し訳なくなる。
ある程度離れて床に座り込み、まるで一枚の絵のような寝ている彼と外の青空を眺める。



