憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした




保健室に登校して、すぐにここへ来る。

貰った課題をやりながら、ぼーっとする。
今までと変わらない生活だけど、自分の中では変わってた。


ここにいるのが幸せな日もあれば、急に寂しさを感じたり。

忙しない気持ちの変化を感じながら、目の前に置かれた花瓶を眺める。


ここを覗いた日にはなかった花が次の日ここに来たらテーブルに飾られていた。

それから毎日一輪ずつ花が増えていた。


きっと保健室の先生だと気づいてお礼もちゃんとした。


『うふふっ。』


たまに見せる笑顔で返されたけど。




お昼までの時間を毎日ここで過ごしている。

名残惜しさを感じつつ教室を後にして、お昼はクラスの子たちと食べる。


そんな日々が1週間続いてた。





お昼を食べて課題を再開しようとした時、シャーペンがなかった。

他にも筆箱にはシャーペンが入ってるものの、空き教室に行く口実ができたと嬉しくなった。


職員室にいる保健室の先生宛に書き置きをして、私は空き教室へと1人で向かった。




歩き慣れた校舎を私の足音だけが聞こえる。



悪いことをしている気分になってしまって、忍び足で進む。

空き教室に着いて中へ入ると、いつもと違っていた。