憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした




「いやっ!」

恋愛経験のない私にとって、それが何とまでは分からない。

でも、大事な制服に何かをかけられてしまったのは分かった。



振り落とそうとしてスカートを揺らすが落ちない。

「おっ、良いね。できれば腰を前後にお願い。」


携帯をこちらに向けている男に撮影されていると気づいた私は背を向けて逃げようとする。


けど、足も結ばれているために歩くことすらできずに床へと倒れる。


「っいた…。」


「逃げなくて大丈夫だって!良いことしかしないから!」



肩を掴まれて仰向けにされる。

そして目の前が暗くなったと同時に何かが触れた。






えっ?


何も聞こえない。ただ何かが触れてる。…私の、口に。



理解できない。いや、したくない。
分かりたくもない。



でも、耳に音が聞こえてきた。



荒い息づかい、吸いつく音


そして、今度は胸に触れた気がした。






「っ!!」

顔を思い切り背けて、はあはあと呼吸をする。
苦しい呼吸に涙が込み上げてくる。



「もー恥ずかしいの?」