憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした




「よりどりみどりのイケメンいますよー!」

「料理も美味しいですよ!」


これでどのくらい人を呼べているのかは分からないけど、隣の明るいバニーちゃんがとても人気で。
知らない人とも友達のように話してて、写真もたくさん誘われてて、私も流れで入らせてもらったり。


そんなことをしてたら、いつの間にかバニーちゃんと離れてしまってた。


良く見ると少し後ろで男子にものすごく囲まれてた。

「大丈夫っ!?」

「あ、大丈夫大丈夫〜!私たちの役目たぶん十分だからさ自由時間にしない?私ちょっと遊びたくて!」


そう言った彼女の腕は、筋肉盛り盛りの男子の腕に絡まっていて、たくましい筋肉と真っ白な細い腕の対比が周りの視線を集めていた。




美女と野獣のような組み合わせに私もうっとりしてしまう。
…でも、私にはヒーローがいる。


あの子は今、どうなっているんだろう。
やっぱり筋肉盛り盛りなのかな…。



顔もぼんやりとしか思い出せなくなってきているヒーローの今を想像してみる。



「君も遊んでくれるのー?」

「え?」


そこには男子が2人いた。
人混みの中だからか、距離が近い。


「ごめんなさい!私、やる事あるので。」

「えー?あの子自由時間って言ってたじゃん?」