憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした





文化祭当日
私はクラスの子たちに囲まれていた。

こっち!いやそれだと下品だよ!みたいな会話が飛び交う中、私のヘアメイクをしてくれていた。

髪は綺麗だからとそのままに片方を耳にかけ、ピンでとめてる。
そして、鏡に映る顔がどんどん血色が良くなっていく。


「やっぱドレス青で良かったね!」

「絶対赤リップにしたかったの!」




「これ、私…?」

見たことない自分がいて戸惑いつつも、嬉しい。
メイクでこんな綺麗になれるんだ。



女はヒーローじゃなくてお姫様に憧れるもんだぞ


あの言葉がまた違った意味で分かる瞬間だった。








文化祭は3日間
一般の人も入れるため、主に他校の女子がたくさん来た。
クラスのコスプレ喫茶も好評で、クオリティーが高いと褒められているみたいだった。


2日終わって、先生によれば売上は上々らしく、もしかしたら学年1位いけるかもと。



きたる最終日、私は手に看板を持ち校舎内を練り歩いていた。


『最終日だから彩ちゃんお願い!今日は接客しなくて良いから校舎内をこれ持って歩いてきて!』


接客しなくて良いというところに惹かれ、快く引き受けた。隣にはセクシーなバニーちゃんも一緒だ。


文化祭を通して女子との変な距離もなくなり、仲良くなれたのが1番嬉しかった。