憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした




3人とこっちを見て話して、おいでおいでされた。


「お前たち女の子に重いもの運ばせてんの?」

私がドサッとペンキを置いたら3人が詰められてた。



「違うんです。私、このくらいしかできないので3人に無理言って入れてもらったんです。」


だから3人を責めないでくれと明らかに年上の先輩に言う。
…というか、3人の雰囲気的に遊蘭の人な気がする。



「んー、でも次からは1人でも連れて行きなよ?」

「はい。」


優しい人だ。紳士な雰囲気をすごく感じる。
遊蘭にこんな人がいるんだ…。



「何ちゃんって言うの?」

「彩です。白井彩」

「うわー、綺麗な名前だ。」


漢字は?どこ中なの?と私を気遣ってか、たくさん話してくれた。


「先輩は2年生ですか?」

その質問に3人が固まって先輩の様子を伺っている。

まずい質問だったのかな…。




「3年だよー。飯島祐希(いいじま ゆうき)って名前だから覚えてね彩ちゃん」

「ちょ、…名前まで!」

「祐希さんっ!」

「別に名前ぐらい良いじゃんねー?」

と同意を求められて曖昧に笑う。


名前、聞かなかったことにしとこう。
そう決めた私をニヤッと笑って見た先輩は、

「彩ちゃん俺のこと名前で呼ばないと、悪いことしゃうぞ?」


爽やかな笑顔で恐ろしい事を言ってきた。