憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした





「お前こそ、怪我するなよ。加奈子はお前に変な気持ちを持ってる気がする。」

「変な気持ち…?」

「じゃなきゃ、嘘ついてお前を追い出さねぇだろ。度を越した行動があったら俺に言ってこい。」


そう言うと紙に何か書き始めて、差し出される。

そこには電話番号とメッセージアプリのIDが書かれていた。


…これは、もらえない。


返そうとする私の手を押し戻して「そこら辺に捨てるなよ。知らない女から連絡きたらお前のせいだと思うからな。」と念を押された。


確かに先輩の連絡先知りたい女子はこの学校にたくさんいるはず。
私が先輩の連絡先持ってると知られたら面倒なことになりそうだ。


とりあえず隠そうと考えた結果、携帯のケースに挟むことにした。

すでに1枚挟んである紙の下に隠すように入れる。



それを見て、さっさとどこかへ行ってしまった先輩


思いがけず連絡先を渡されて、もう携帯落とせないとスカートのポケットに入れる。




時間がかかってしまったことを謝ろうと頑張って早歩きで3人の元に向かえば、1人誰かいた。


何だか仲良さそうに話していて、遊蘭の人かなと思って行かない方が良いだろうと後ずさるとその人がこちらを見た。