午後の授業は全学年準備にあてられてるため、全体が賑やかだ。
私を含めた看板班は外に出て制作を始めるところ。
おっきなメインの看板と小さな看板がいくつか並んでる。
下書きを始める3人に対して、私はペンキなどを受け取りに美術室へと向かってる。
こういう雑用しかできないので、1人で大丈夫かと気遣ってくれた3人には大丈夫だと胸を張って答えた。
けど、やっぱり無理だった。
ペンキがあそこまで重いものだと思わなかった。
一気に持って行くのは無理なので、往復することにした。
遠いから途中途中休みつつ、賑やかな校舎を進んで行くと裏庭である人と鉢合わせてしまった。
「……よう。」
「こんにちは。」
総長特権なのか、作業をしているようには見えない2年で夜鴉総長の間中大輝先輩
夜鴉にいた身として、どう接していいか分からず、逃げるように立ち去ろうとすると「おい、こっちこい。」と言われてしまった。
おそるおそる近づき、半径2メートルほどあけて力の限界だったのでペンキを置かせてもらう。
その様子をじっと見るだけで、何も言わない。



