憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした




「遊蘭には姫いないの?」


私がそう言うと、3人はきょとんとして笑った。


「姫なんていらないよなー!総長たちだけで全然士気上がるし。」

「ここだけの話、総長たち綺麗すぎるんだ。その上喧嘩も強いから憧れってより神みたいな?」

「白井さんは知らないよね?うちの総長たち」

「うん、名前も知らない。」


すると3人は勝ち誇ったように笑って自慢気な顔をした。

俺たち知ってるよー。良いだろー。みたいな顔


その顔が面白くて笑ってしまった。


「遊蘭って良い族なんだね。そんなに慕われる総長さんたち見てみたくなったよ。」

「いやー、それができねぇのが心苦しいんだけど。とにかく総長は男の俺でも惚れそうなぐらいやばくて!副総長は優しくて明るい良い人なんだ!」


これだけしか言えないのがもどかしいと嘆く彼らが幸せそうで、暴走族でも遊蘭が他とは違うところの片鱗を見た気がした。