憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした




学校全体が文化祭モードになり、1ヶ月間準備で忙しくなる。


本当に夜鴉と遊蘭は穏やかというか、たまに言い合いをしているのは見かけるけど、喧嘩までには発展していない。


私はというと、できることが雑用しかなかった。

女子は衣装を作ったり買ったりする班と料理を作る班に分かれたけど、どっちにもいけないと申告した私は男子の力仕事の雑用を買って出た。


看板をいくつか作るらしくて、遊蘭の3人の中に入れてもらった。


3人は字が上手くて、絵も上手いらしい。
紙に書いてる下書きを見ながらギャップ萌えだなと考えてた。


「白井さんて夜鴉にいたんだよね?」

「うん。でも追い出されちゃって。」

「何かしたの?」

「した覚えないんだけど…、加奈子ちゃん、姫をいじめてるって言われて。」



あははと笑っていると遊蘭の3人はどこか苦笑いになって顔を歪めた。


「俺、あの姫苦手なんだよね。なんか、自己中ていうか。」

「かわいこぶってるとこ何回か見て無理だった。」

「遊蘭の姫だったら嫌われてるよな。」



クラスの夜鴉に聞こえないよう小声で話す彼ら
確かに見る人によってはそう見えるかもしれないなと思う。