憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした





うちの高校は体育祭はないけど、大きな文化祭がある。

体育祭がない理由は暴動に繋がる可能性があるからとのこと。
文化祭はクラス別のため、たぶん大丈夫だろうと。



ヤンキーが大半を占めるこの学校で文化祭などまともに出来るんだろうかと思うけど、そこは先生たちがアメを差し出すらしい。



「今年は売上順に打ち上げ会場が決まるぞー!1番上は焼肉だ!」


うおー!とクラスが盛り上がる。
焼肉焼肉〜!!と興奮がおさまらない。


ちなみに1番下は会場は教室で、自分たちでピザなどを準備しなければいけないらしい。

それはそれで楽しそうだけど。



それにこの文化祭期間だけは夜鴉も遊蘭もなし。いちクラスメイトとして接することが条件らしい。



過去に言い争いになり喧嘩が始まったクラスは打ち上げなしになったと。


それを聞いた男子はお互いに睨み合いながらも大人しくしていた。






「ここってヤンキー学校なのか、普通の学校なのか分からなくないですか。」

「普通の学校だろ。本当のヤンキー学校だったら女子なんていねえし、文化祭もねえぞ。」


頭の中で落書きされた校舎や窓が割れてる教室を浮かべる。



日常となりつつある空き教室でのお昼
あれからもちょくちょく来たら、彼と会う頻度が増え、今ではほぼ毎日一緒にお昼を過ごしてる。


未だに名前も学年も知らないけど、雰囲気からして年上かなと思ってる。

1年ではないことは確かだ。
こんな色気のある人見たことないから。



ぽつぽつと何気ないことを話しては、ぼーっとして。そんな空間が心地良かった。