「えっ、追い出された…。」


何か一方的にすごい剣幕で攻め立てられた。

何も理解できないまま、私は来たばかりの倉庫から追い出され、さらにはもう来るなとまで言われた。


加奈子ちゃんが泣いてたな…。
何かあったのか?とか考えながら、いても仕方がないので、とりあえず帰ることにした。





「えー!白井さんが!?」

「そうなんだって!私の彼氏が昨日言ってた!」


次の日教室に入れば、ぽつぽつと私の名前が上がってる。

でも、この学校では私が追い出されたことくらいの話題は朝で終わるだろう。



白井 彩(しらい さや)

昨日、入ってた族の総長たちから激怒され、追い出された。

原因は姫をいじめたこと。
入ったばかりの姫にキツく指導したあげく、幹部たちに色目を使うなと叱った。



「へえ、そうなんだ。」

聞こえてくる話でやっと私の身に起こったことが理解できた。


昨日は幹部たちや他のみんなに取り囲まれ、姫が大泣きしてた状態だったから、落ち着いて話するどころじゃなかったために、あっけなく私は追い出された。


んー…、未練がないと言ったら嘘になるけど、このまま一般人として大人しくしてた方がこの学校じゃ良い気がする。