憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした






「ラーメン…、お金払います。」

何で私ラーメン食べたんだ。と冷静になる。


「いらね。それより時間大丈夫か?」

「時間?」


ポケットから携帯を出すと、お昼が終わる10分前だった。


ここは普段人が滅多に来ない棟
教室まではそこそこ時間がかかるから間に合うかギリギリだ。


「これあげます!」

食べかけのメロンパンを押し付け、慌てて空き教室を出る。




走りながらラーメンを食べてる時を思い出す。


なんかラーメンに混ざって良い匂いしたな。
人から食べさせてもらうなんてした事ないから緊張した。
あの距離で綺麗な顔1回でも見れば良かったな。




…え、私、ナチュラルに関接キスしてない!?


それに気づいてからは顔の熱を冷ますのに必死だった。



実際2人がラーメンにかけた時間は10分
その間はお互い無言のまま、片方はひたすら麺を口に入れることだけを。
もう片方はちまちまと麺を口に入れる口元を、ひいては食べづらそうに食べる顔をじっと眺めていた。





「疎いな。」



バタバタしてる様子を上から見られてたなんて思いもしない私