憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした





その日から私は空き教室でお昼を食べることにした。

あの人はいないし、空き教室は心地良い風が入って来てお昼の時間は最高のお昼寝スポットだった。


それに、あれから何度か夜鴉に鉢合わせしては詰められているため、気持ちが嫌な方に向かっていくのをここで休むことで落ち着けていた。




今日もパンをテーブルに置いてソファに飛び込む。


ずっとここにいたいぐらいだ。

さっきは加奈子ちゃんと幹部の1人に会ってしまった。
確か2人が付き合い始めたから加奈子ちゃんは姫になったような。



総長たちがいなかったからか、いつもより詰めてくる言葉が2人ともきつくて。

終いには『裏切り者が。男漁りなら他所でしろ!』とまで言われた。



「男漁りなんてしてないじゃん。裏切ったこともないよ。」


手足をバタつかせながらソファにあたる。



「お子ちゃまに男漁りなんてできねえよな。」

「そうだよ。私なんてまだ1回も付き……っえ?」


振り返るとそこにはうちの制服を来た芸能人みたいな男子がいた。