憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした




……。

何というか、何だこれ。

まるで劇を見ているような、そんな気分になって何も入ってこない。


呆然としてる私がショックを受けていると勘違いしてる加奈子ちゃんが必死に慰めてくれてる。



「……あの?すみません。戻って良いですか?」

ざわざわする胸をさすりながら、買ったパンを掲げて見せる。


「気分悪いの彩ちゃん!?付き添おうか?」

「大丈夫です。」


ずっと掴まれてた腕を引き離し、足早に校舎へと避難する。



何だったんだと少し気分が悪くなってるように感じて、トボトボと歩いてると人気のないあの空き教室に来ていた。


ためらうことなくドアを開けてて、誰もいないと分かるとソファに雪崩れ込んだ。



「…私、姫になりたかったんじゃない。姫になった加奈子ちゃんを妬んだりしてない。……加奈子ちゃんをいじめたこともない、のに。」


幹部2人に詰められて恐怖を感じたことで、ようやく自分が加奈子ちゃんをいじめたことで追い出されたと実感した。



…何で加奈子ちゃんは嘘ついてるんだろう。