2人の時間が止まって見つめ合っていると、理玖が眉を寄せて息を吐いた。



「はぁ…。そーゆこと。」

「待って。先行かないで。」


「うざ。」とか言いながらコーヒーを淹れ始める理玖
一方で私はこれを書いた張本人なのに分からない。


いや、分からなくて良いような気もするんだけど。

これはただ、横山さんが理玖に大好きだという気持ちも込めてあげただけなのでは…?と思いつつ、引っかかるものがある。



あのスーツの男性は"たまたま"私のバイト先でケーキを買って、友達の子どもへの気持ちを込めたいと思ったから"たまたま"私がこの文字を書いた。


でもその男性は理玖のお手伝いさんの様な人で、友達の子どもは私の好きな人で。

私は好きな人を思い浮かべながら、同じ名前の"りくくん"へのメッセージを書いて…。





「え……?」



もう何も分からなくなってた。