れんれんと恋するための30日



福は、授業が終わるとすぐに正門へ向かった。

蓮に会って、今日の昼休みの事を謝りたい。
福は誰よりも早くに校門に着き、蓮が来るのをずっと待った。

なんで私、あんな事しちゃったんだろう…
感情をコントロールするって本当に難しい。
れんれんの事になると特におかしくなる。

福は蓮を待っている間、ずっと心の中で反省していた。
ちゃんと謝らなきゃ、蓮が嫌な気持ちになったのは間違いないんだから。

そして、福は校舎から歩いてくる蓮を見つけた。
でも、蓮はたくさんの友達と話しているせいで、福のことは気づいていない。
蓮だけを見ていた福は、蓮の隣で微笑む透子の存在に気が付いた。

佐倉透子…

学校一の美人と言われている彼女は、本当に綺麗な人だった。
茶色に染めていると思った髪も、ちゃんと見れば本物の髪の色だ。
きっと、ハーフに違いない。
透子の整った顔からは上品さが、控えめに微笑む笑顔からはあどけなさが、交互ににじみ出ている。

福は、美しい透子から目が離せられない。
そして、透子より魅力的じゃない自分を認めるしかなかった。でも…