「幸、いる?」
蓮は友達を引き連れて、昼休みに幸のクラスに顔を出した。
「うそ? G組の大石蓮じゃない?」
「カッコいい~~」
蓮は、あっという間に皆の注目の的だ。
「幸~、G組の大石蓮が呼んでるよ~」
福は蓮を見てハッとした。
友達や拓巳と一緒に居ることが楽し過ぎて、蓮の事を思い出す暇がなかった。
「れんれん、ごめんなさい。
れんれんの事、すっかり忘れてた」
蓮は幸のその言葉にひどく傷つき、どういう顔をしていいのか分からない。
「蓮、マジ、ヤバくない?
お前の存在、忘れてたってさ」
蓮の友達はそう言って爆笑した。
すると、幸はその友達を思いっきり突き飛ばした。
「いつ、私がれんれんの存在を忘れたって言った?」
福は柄にもなく感情を抑えきれずにいた。
「は? 今、言ったじゃん。
れんれんの事、忘れてた~って」
蓮の友達は立ち上がり、福に向かってそう言った。



