れんれんと恋するための30日



「幸、いる?」


蓮は友達を引き連れて、昼休みに幸のクラスに顔を出した。


「うそ? G組の大石蓮じゃない?」


「カッコいい~~」


蓮は、あっという間に皆の注目の的だ。


「幸~、G組の大石蓮が呼んでるよ~」


福は蓮を見てハッとした。
友達や拓巳と一緒に居ることが楽し過ぎて、蓮の事を思い出す暇がなかった。


「れんれん、ごめんなさい。
れんれんの事、すっかり忘れてた」


蓮は幸のその言葉にひどく傷つき、どういう顔をしていいのか分からない。


「蓮、マジ、ヤバくない? 
お前の存在、忘れてたってさ」


蓮の友達はそう言って爆笑した。
すると、幸はその友達を思いっきり突き飛ばした。


「いつ、私がれんれんの存在を忘れたって言った?」


福は柄にもなく感情を抑えきれずにいた。


「は? 今、言ったじゃん。
れんれんの事、忘れてた~って」


蓮の友達は立ち上がり、福に向かってそう言った。