れんれんと恋するための30日



蓮はバイト先から一人で帰りながら、幸からのメッセージを読んでいた。

“明日の朝からしばらく一緒に学校へ行けません
拓巳と一緒に朝練をすることになったので
明日はバイトには行きますね  幸”

蓮は、今日、幸がバイトに来ないことを知らなかった。
店長に聞いたら、部活があるということで週三くらいで始めますということだったらしい。
蓮は、こんなに幸のことが気になる自分が腹立たしかった。

そして、このメッセージは何なんだ? 
拓巳って何者だ?

蓮は駅から家までの距離を、久しぶりに一人で帰った。
小さい頃から、幸と福の事はよく知っている。
二人とも目が大きくそして色白で、近所では評判の双子だった。

いわゆる幼なじみの俺達なわけだ。
気になるのは普通の事だよな?

自分にそう言い聞かせても、頭に浮かんでくる幸の笑顔を消すことができない。

それより朝練って? 
漫研が朝練? 
あり得ないだろ…

蓮は幸の不思議なメッセージを何度も読みながら、とりあえず“了解です”と返信した。
拓巳か…
明日、学校で調べてみよう。