れんれんと恋するための30日



福は、幸の指先を頬に感じた。
福も幸を感じるその場所へ手を伸ばしてみる。


「そんな未来のことなんて誰も分からないことなんだから。
仮に、福と蓮がこの一か月で結ばれたとしても、大人になった私は違う人と結婚するかもしれないし」


「拓巳と?」


「もう、拓巳がいい人なのは分かる。
でも、福が気にすることじゃないから」


「もし、福が普通に元気に過ごしていたら、きっと、幸と拓巳の事を絶対に応援してた。
福も幸と同じ高校に通って、福はれんれんとつき合って…」


「福、そんな事考えちゃダメなんでしょ? 
神様との約束を破っちゃダメだよ」


福は意識が遠のくのを感じた。
神様はきっと見ているし、感じている。


「福は、福のやり方で蓮とつき合えばいいの。
私がいいって言ってるんだから、絶対迷わないこと。
分かった?」


「うん」


幸、ありがとう、そして、本当にごめんね…