福は、幸の指先を頬に感じた。
福も幸を感じるその場所へ手を伸ばしてみる。
「そんな未来のことなんて誰も分からないことなんだから。
仮に、福と蓮がこの一か月で結ばれたとしても、大人になった私は違う人と結婚するかもしれないし」
「拓巳と?」
「もう、拓巳がいい人なのは分かる。
でも、福が気にすることじゃないから」
「もし、福が普通に元気に過ごしていたら、きっと、幸と拓巳の事を絶対に応援してた。
福も幸と同じ高校に通って、福はれんれんとつき合って…」
「福、そんな事考えちゃダメなんでしょ?
神様との約束を破っちゃダメだよ」
福は意識が遠のくのを感じた。
神様はきっと見ているし、感じている。
「福は、福のやり方で蓮とつき合えばいいの。
私がいいって言ってるんだから、絶対迷わないこと。
分かった?」
「うん」
幸、ありがとう、そして、本当にごめんね…



