れんれんと恋するための30日



蓮は、幸と一緒に帰りの電車に乗っている。


「今日、バイト疲れたろ?」


隣でウトウトしている幸に話しかけると、幸はパッと目を開け横に座っている蓮に寄りかかった。


「なんで、雑誌になんて載ったの?」


「あ~、知ってたんだ…
しょうがないだろ。
イケメンな俺を誰もほっとかないんだよ」


蓮はすました顔でそう言いながら、幸の顔をわざと覗きこむ。


「バカ、アホ。
でも、イケメンだから許す」


蓮は声を上げて笑った。
蓮のつまらないジョークを受け入れる幸は、本当に可愛い。


「そういえば、バイトが終わった後に店長と長いこと話してたろ? 
 何を話してた?」


「言いたくない」


「え~、何だよ? マジ聞きたい」


「言わない」


幸はそう言うと、電車から降りて改札を出た。
蓮も後から追いかける。