え? あの綺麗な人が、れんれんの彼女?
福は一気に現実に引き戻された。
蓮に彼女がいることは想定内だったけれど、あんなに美人だとは思っていなかった。
「でも、関係ない。
れんれんと約束したし、梨華も行く?」
梨華は幸の変わりっぷりに言葉を失っていた。
こんなに変わってしまった幸を、どう扱っていいのか分からないくらい。
「行くけどさ、ヤバくなったらすぐに帰ろうね」
福は少し梨華に感謝していた。
蓮と透子がいちゃいちゃしていたら、自分がどうなるか想像がつかないから。
G組はB組よりかなり騒がしいクラスだった。
「れんれん、いますか~~?」
福は黒板の前で女の子と話している蓮を見つけた。
「れんれん?」
「誰、あの子?」
「めっちゃ、ウケる」
皆の面白がる声があちこちから聞こえてくる。
蓮は幸が本当にお弁当を持って、ここへ来るとは思っていなかった。
だから、驚きと恥ずかしさでどこか穴があったら入りたい気分だった。



