福は蓮が何組なのか知らないことに気づいた。
昼休みに教室でウロウロしていると、梨華がお弁当を持って話しかけてきた。


「幸、お弁当食べよう」


「あ、梨華、大石蓮って何組か分かる?」


「大石君? 
確か、G組だったと思うけど」


「了解。じゃ、一緒にG組に行こう」


福はお弁当を持って、梨華の腕を組んで歩き始める。


「幸、何しにG組に行くの?」


「今日、れんれんとお昼一緒に食べるって約束したんだ」


「え~~~~」


梨華は立ち止まった。


「なんで?
なんで、幸が大石蓮と一緒にお昼を食べるの?」


「なんでって、幼なじみだからかな?」


「ヤバいじゃん、それ」


「なんで?」


福がそう聞くと、梨華は廊下の隅に福を引っぱって行く。


「大石蓮って、学校一可愛い彼女がいるの知らないの?
佐倉透子、美男美女カップルで、超有名なんだから」