れんれんと恋するための30日



福は早い時間に家に帰り着いた。
両親とも仕事のために、家の中には誰もいない。

福は自分がいなくなってからの家族の事を知りたかった。
リビングにある写真を見ても、以前と同じ幸と福のツーショットの写真しかない。

福は幸の部屋へ行った。
机の引き出しの中に、小学校の卒業アルバムと中学校の卒業アルバムが入っているのを見つけた。

まずは、小学校から…
そこには12歳の幸がいた。
皆笑っている写真の中で、幸だけ一人笑ってない。

あ、れんれんもいる…
同じクラスだったんだね。

写真の中の蓮は最高な笑顔をしてる。
福はクスクスと笑いながら、アルバムを見ていた。

将来の夢…
“僕は、サッカー選手になってオリンピックに出たいです。大石蓮”

れんれんって、今も、サッカーやってるのかな?

“私は童話作家になって、病気で苦しんでいる子供たちが元気になるような物語を作りたいです。会田幸”