れんれんと恋するための30日



蓮は休憩に入った時に、店長にそれとなく聞いてみた。


「さっき、俺と同じ高校の女の子と話してませんでした?」


「あ~、幸ちゃんね」


「何しに来たって言ってました?」


店長は大声で笑って、蓮にピースサインをする。


「あんな可愛い子がここでバイトしたいってさ」


「バイトっすか?」


「そう、ちょうど良かったよ。
蓮が急に人気者になったおかげで、女の子のバイトを雇うのにちょっと躊躇してたんだ。
お前目当てで、入ってきてもらっても困るからさ。

そしたら、幸ちゃんはお前と幼なじみなんだって? 
じゃ、それならお願いしますって即決だったよ」


蓮のあの時の嫌な予感は的中した。


「あ~、そうっすか…」


「明日から入るから、よろしくな」


あ~、まじっすか、俺、めっちゃ、気が重たいんすけど…

蓮はひとり言をつぶやいて、大きくため息をついた。