蓮は泣き止まない福を優しく抱きしめた。
抱きしめたまま、手を掲げてスマホの星空を映し出してくれる。
もう、朝には消えてしまうのなら、神様、こんなことを言う福を許して下さい。
神様…
なんで、福は七歳で死んでしまったのでしょう?
本当はもっともっと生きたかった。
愛する家族や、れんれんや、たくさんの人に囲まれて成長したかった。
神様…
福は何か悪いことでもしたのでしょうか…?
「あ、幸、ほら、星が出てきた。
見える? あの雲の隙間から」
福は涙をぬぐって、夜空を見上げてみた。
見る見るうちに雲が流れ、暗闇の下から小さな星の明かりが顔を出す。
福はやっと笑顔になれた。
神様はいつも福を見てくれている。
福に心残りがないよう、笑顔で天国へ帰れるよう、この星空を見せてくれた。
「れんれん、今日は本当にありがとう。
嬉しすぎて涙が止まらないよ」
蓮は星空を見上げる幸をずっと見ていた。
「幸、今度の週末に幸の誕生日プレゼントを一緒に買いに行こう。
なんでも買ってやるからさ。
欲しいもの、ちゃんと考えといて」
福は空を見上げたまま頷いた。
そう…
これからも幸と蓮の物語は続いていく…
福は、この30日間、夢を見させてもらったの。
大好きな幸の体を借りて、大好きなれんれんと恋をする素敵な夢を…
もう、心残りなんてない…
だって、一番憧れていた七つの夢を、れんれんが叶えてくれたから。



