「なんで透子はそんなに泣くの?
僕が透子の事が嫌いだなんて言ったっけ?
僕は透子との約束を果たすために日本に帰ってきた。
必ず約束を守らなきゃって思えるほどの大切な人なんだよ。
僕だって、もちろん、透子の事を愛してるよ…」
「妹としてじゃなく?」
「今の綺麗な透子は妹には思えないよ。
一人の女性として愛してる」
「でも、道はまたフランスに帰ってしまう。
また会えなくなる…」
透子は外の景色に目をやった。
あの離れていた時の悲しみがまたやってくる。
「透子、前にも僕が言った事を覚えてる?
透子がフランスに来ればいいんだよ。
お父さんもフランスで待ってる。
いつでも歓迎するはずだよ。
透子のもう一つの祖国じゃないか。
僕もいる…
今度は僕が透子を待ってるから、高校を卒業したら、フランスにおいで」
今の透子は素直に聞くことができた。
フランスに行くということ。
もう一つの私の国。
父がいる。
そして道が待っている。
それが私の未来…



