「まずはジェットコースターに乗りたい」
幸以外の人間は、下を向く。
蓮はヤバいと思った。
皆がジェットコースターが苦手なら、自分がつき合わなきゃならないのは目に見えている。
ここの遊園地のジェットコースターは、高さが高い事で有名だった。
そこからほぼ直角に落ちる衝撃は、下から見物している人間にも恐怖を与える。
「ミッチー達は乗らないの?」
幸は全く場の空気を読めていない。
「僕と透子は、あのベンチで見学しとくよ。
幸の絶叫顔をスケッチしてあげる」
幸はその条件で納得し、道に絵を描いてもらえることで浮かれている。
透子は気の毒そうな表情で蓮を見ていた。
「じゃあ、れんれん行こう」
「幸、こんなの乗ったら、後が楽しめないよ。
どんだけ怖いか知ってるの?」
蓮は必死に食い下がった。
「知らないから乗るんでしょ。
れんれんは乗ったことあるの?」
「…いや、ないけど」
「じゃ、乗ろう」
蓮の空しい努力は報われず、幸に腕をつかまれて乗り場へ入って行った。



