そして、ずっと胸の奥に隠していた私の蓮への思いは消えることはなかった。
高校をさりげなく蓮と同じ高校にしてみたり、私のできることはそれくらいのこと。
福が、今、蓮とカップルになったことは全然嫌じゃない…
そう、だって、私達は二人で一つだから…
福の幸せは幸の幸せだから…
「分かった、努力してみる。
でも、福、あと何日とか、悲しいこと言わないで。
福は福で、今の毎日を精一杯楽しむこと、分かった?」
福のとびっきりの笑い顔が、すぐに幸の頭の中に飛び込んできた。
「そんなのそうするに決まってる。
私は幸にずっと恩返しがしたかったの。
今も幸に体を借りて好きな事させてもらってるから。
幸、ちゃんと見ててね、これからの私とれんれんのことを…」
ここに来る前、神様から言われた事がある。
あなたは貴重な人生の1ページを与えてもらったのですと…
あの時の私は、短かった自分の人生の1ページを取り戻せるのだと思っていた。
でも、神様が私に与えてくれた1ページは幸の人生の1ページだと、今なら分かる。
私の物語は数ページで終わってしまったけれど、幸の物語はこれから先も何ページも続いていく。
神様は分かっていた。
その中のたった1ページが、幸の人生を大きく変えるということを。
その貴重な1ページを私は与えられ、大好き幸のために、幸の人生をよりよくするために、私はその短い時間を精一杯生きる。
そして、その1ページは、私と幸のかけがえのない1ページになる…



