れんれんと恋するための30日



「幸~~~~、幸~~~~」


福は充実した気持ちの中で眠りについた。
早く、幸に会いたい…
最近の福は幸と触れ合える時間をとても楽しみに、そして大切にしていた。


「お誕生日、おめでとう」


とても近くで幸の声がした。


「幸もおめでとう。
それと、幸…
今日は幸のお部屋に、れんれんを呼んじゃったけど、よかった?」


幸の穏やかな微笑みが、福の脳裏に浮かんだ。
柔らかい触覚を感じる。


「全然、平気だよ。
福の部屋でもあるんだから」


福は幸にそろそろ伝えておかなければいけない事があった。
今日は二人の誕生日、お互い素直に話せるかな。


「幸…
私がれんれんとつき合うことになってどう思う?」


「どう思うって、良かったって思ってる」


また幸の優しい息遣いを福は感じた。


「今の幸は、きっと福の物語だと思って毎日を見てるでしょ?」


「うん、福と蓮の恋愛物語。
私は映画館の席に座ってるような感覚で、泣いたり笑ったりドキドキしたり、楽しんで見てる」