「れんれん、いい匂いがする」
「だろ?
それいい男の条件なのさ」
「バカ。
この匂いは幸だけのものなんだからね」
蓮は、もう一度、幸をきつく抱きしめた。
「可愛い幸、俺の方こそ誰にも渡さない」
すると、突然、幸が何か思い出したように蓮の方を向いた。
「あ、そうだった。
今度の日曜日の遊園地のデートなんだけど」
「だけど?」
蓮は、なんだか嫌な予感がした。
「透子さんとミッチーも一緒に行く事になったから。
Wデートだね。楽しみ~~」
「はーーーー??」
蓮はあまりの展開に開いた口がふさがらない。
俺と透子はこの間までつき合ってたのに?
まだ出来立てほやほやの元カレ元カノの関係なのに、もうWデート?
それも全く遊園地が似合わない斎藤道と?
蓮は隣で喜んでいる幸の横で、大きくため息をついた。



