れんれんと恋するための30日



幸はリビングから、蓮のためにケーキとコーヒーを持って来た。


「そんな長くはいないから。
幸の母さん達に嫌われたくないからさ」


蓮がそう言うと幸はすねたような顔をしたけれど、でも、すぐに頷いた。


「昨日は一日、海に行ってて、今日は学校でその後バイトだろ。
幸の誕生日プレゼント、実は買えてない。
ごめん…
でも、近々必ずプレゼントするから。
とりあえず今日はこれ」


蓮が小さな花束を幸に手渡すと、幸は本当に嬉しそうな顔をして喜んでくれた。


「れんれん、今年はこれでいい、すごく嬉しいよ。
だって、昨日は海にも連れてってもらったし、一緒に泳いでもくれた。
だから、もう何もいらない…

れんれんからのプレゼントは、もう、もらってるよ。
七つの約束…
ちゃんと叶えてもらってる」


幸はそう言うと、小さなソファに座ってる蓮のとなりに座った。


「今日もこうやって幸の誕生日を一緒に過ごしてくれてる。
それだけで十分だよ」


蓮はソファから立ち上がると、ソファの下に座った。
そして、その隣に幸を呼ぶ。


「このソファ、可愛いけど小っちゃいからさ。
幸、ここに座って」


幸が蓮の隣に座ると、蓮は幸の肩を包み込むように抱き寄せる。