れんれんと恋するための30日



蓮は幸の顔に塗り過ぎた日焼け止めクリームを、今度は背中に塗った。


「幸…?」


「うん?」


蓮は幸を背中から抱きしめる。


「なんかムラムラしてきた」


「ムラムラ?」


幸は何も分からないようなふりをして、蓮の横顔にすり寄ってくる。
蓮は無邪気に抱きついてくる幸から、やっとの思いで離れた。
自分から変なことを言っておいて。


「まずはお昼にしよう。
その後は泳ぐんだろ?」


「うん」


屈託のない笑顔で幸は頷く。
この際、俺は泳いだ方がいいのかもしれない。
冷たい海につかって頭を冷やさないと、幸を襲ってしまいそうだ…

今日は日差しは強いけれど、風はひんやり冷たかった。
昼食を済ませた二人は、それぞれの更衣室で着替えをした。
こんな中途半端な季節に海に来ているのも二人しかいないし、もちろん更衣室を利用しているのも二人だけだ。

着替えを終えた蓮は、更衣室の前で幸を待った。


「じゃ~ん。れんれん、お待たせ」


蓮は唖然とした。
ただでさえ寒いというのに、幸は青色のビキニをきている。
かろうじて、短いスカートでへそ下が隠れているだけだ。